SBI証券で米国株取引の欠点考察

投資

米国株式投資を始めるにあたり、証券会社選びは当然大事なポイントとなります。
米国株を扱っているネット証券会社は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券など挙げられます。
複数社あるならば、それぞれ自分にとってどの証券会社を選ぶのがベストなのか悩む方もいらっしゃるはず。

ネット検索すれば、幾らでも比較サイトが見つかるでしょう。しかし比較サイトのほとんどはアフィリエイトで収益を上げているので鵜呑みにできません。最終的にはやはり自分の目で確認すべきです。証券会社の取引口座を開くのはどこも無料なのだから、あらゆる証券会社の口座を先ずは開けば良いのです。

そしてネット情報は、基本、アフィリエイトで稼ぐ為に記事を書いているので良いことしか書かれていません。デメリットを説いたところでアフィリエイト収入にならないからです。

なので、もしネットで情報収集したいのであれば、メリットで比較するのではなくデメリットで比較すべきなのです。これは証券会社の比較だけでなく、ネット情報で比較したい場合の鉄則です。

毎日のメンテナンス時間が長すぎ多すぎ

話を主題に戻しましょう。SBI証券の欠点を挙げると何よりも毎日のメンテナンス時間が多い事です。
特に毎朝の定期メンテナンス時間は最悪で、毎日、米国株式取引終了時刻の午前5時(冬時間6時)から午前9時までメンテナンスで何も操作できないのです。下図参照。

これは投資家にとって可成りの足枷となります。米国の株式取引時間はニューヨーク時間で動いています。日本時間の場合23時30分~翌6時(夏時間22時30分~翌5時)と、日本人の多くが寝ている時間に取引されています。なので朝起床したら前日の株取引のチェックをしたいのは当たり前の行動ですが、朝5時から9時までロックアウトされてWebが使えない状態というのは、あまりにも酷いシステム仕様です。

さらに朝の黄金時間が利用できないだけでなく、毎日19時〜19時30分までメンテナンス時間となっています。毎日2度も定期メンテでシステム利用できないとか、基本的にWebサービスは24時間稼働できる時代にこの体たらく。空き時間にサッと利用したいからネットなのに、今、この時間はメンテだろうか?など無駄な思考で時間をロスしたくありません。

もう20年以上前になります。当時メインフレームからオープンシステム(UNIXベースのシステム)への転換ブームが我が国でありました。メインフレームはメンテ時間が必ず必要で毎日夜間はバッチ処理などを流すメンテ時間の確保がどうしても必要でしたが、オープンシステム化によってフォールトトレラントシステムの構築が可能となりました。フォールトトレラントシステムというのはシステムを二重化し、片方が故障してもシステム全体としてダウンしない持続性維持の仕組みです。これにより、ユーザは24時間365日いつでもシステム利用が出来るようになりました。既に20年前からシステムメンテナンスで停止せずに稼働し続ける技術が人類には存在しているのです。実際、アマゾンのシステムは秒間で数百万リクエストが発生し、処理しているのにメンテナンス停止時間はあるでしょうか?ありません。24時間365日ずっと稼働し続けています。ツイッター、フェイスブック、グーグル検索など毎日のメンテ時間はありません。

ここで分かるのは日本の行政システムにも共通するのですが、IT専門家からすると毎日メンテでダウンさせているシステムは技術力が低いという事が断言できます。金融機関・行政だから?はい言い訳です。米国のバンク・オブ・アメリカやウエルズファーゴ銀行など24時間365日は常識ですし、米国連邦政府・州政府の行政システムも同様です。当然、米国の証券会社 E*TRADE、TD-Ameritrade、Firstrade などもノンストップ、ノーダウンタイムが常識です。日本でも最近、内国銀行ネットワークのプラットフォーム的存在である全銀システム(全国銀行データ通信システム)でも 2018年10月09日から欧米先進国より10年単位で大きく出遅れたもののようやく24時間365日稼働が実現しました。このようにあらゆるシステムの24x365は不可能ではないのです。

2022年において、みずほ銀行のシステムトラブル頻発しているのも技術力が低いからですが、金融機関でIT技術が低いというのは致命的です。今どき口座預金額なんかは単なるストレージ上のデータに過ぎません。それがIT技術が低いとなれば、ある日、残高ゼロになってお金が消えてしまっているという事も可能性としては発生します。だからこそ、お金を預ける銀行・証券会社に対しては厳しい目でIT技術力を見極めなければなりません。IT力の低い企業にお金を預けるのはリスクでしかないのです。

かと言って一般利用者がその企業のIT力なんかどうやって見極めるの?となりますが、簡単な見極めポイントのひとつはシステムメンテナンス時間の有無・長さです。その企業の技術力が低いほどメンテは長い。これは簡単な見分け方のひとつです。

SBI証券の話に戻ります。そもそもメンテ終了が朝9時って、もう人々が普通に仕事を始めている時刻です。平日朝9時以降なんか米国株のチェックや仕掛けをのんびりやれる時間ではありません。デイトレーダーなど投資家としてだけやっている人、優雅に投資以外に仕事をしていない人であれば良いでしょう。がしかし普通に会社勤めをしながら米国株を投資しているサラリーマンやOLには、この朝の貴重な時間帯にWeb利用できないというのは、他にどんなメリットがあろうが許容できないデメリット=欠点と言わざるを得ません。

このように、比較サイトでメリットだけしか見ていないと、こんな酷いデメリットあるの?ということに遭遇してしまう事もあるので、サービス比較する際は欠点で比較する習慣を身に着けるようにしましょう。

そして、証券会社の口座は無料で開設できます。どれか1社だけを開くのではなく複数の会社の証券口座を開き、本格的に投資をする前に、どの米国株銘柄でも良いのでダメージがない程度、たとえば1株などで軽く実際に売買してみましょう。自分の銀行口座から→日本円証券口座へ入金→それを米国ドル口座へ振替→米国株銘柄の購入→その米国株を売却→米国ドル口座から日本円証券口座へ振替→自分の銀行口座へ戻し入金。このサイクルをそれぞれ口座開設した証券会社で実際にやってみましょう。特に為替の部分、日本円から米国ドルへの振替の所要時間、逆の所要時間など体験できます。証券会社によってドル円為替に長い時間が掛かったりします。そういう比較もしてみるのが大事でしょう。

そして本稿のように欠点の検証をしている記事は、証券会社の経営陣にとって有用な情報となるでしょう。指摘された欠点を改善すれば、より良いサービスにランクアップできるからです。

参考までにSBI証券の定期メンテナンス時間表をリンクしておきます。参考まで。

定期・臨時システムメンテナンスのお知らせ|SBI証券

約定時にメールで通知するオプションがない

そして次の欠点、売買注文が約定してもメールで通知されず、その設定もできず。いちいち公式サイトにログインして約定したんだか出来なかったんだかを確認しなければ、約定した事を知る術がないのも可成り不便であると感じました。
公式サイトにログインすると「メッセージボックス」という項目があるので、それをクリック、さらに「当社からのお知らせ」タブをクリック、それでどうでもいい新サービスのお知らせやセールスメッセージなどをかき分けて約定の通知があるかを探す事になります。

SBI証券の現物買注文の約定の連絡

SBI証券のアナウンスのキャンペーンメールなどは送り付けて来るのに、肝心の約定通知がメールで送れないのか、どのような設計思想なのか疑問です。利用者の利便性はあまり考慮されていないのは分かります。

本稿ではSBI証券の欠点部分にフォーカスを当ててみましたが、SBI証券だけでなく、どの証券会社のサイトでも気の利かない部分はあるので、それぞれ読者の皆さん自身が、どれが許容できるか、もしくは出来ないかで証券会社を選ぶと良いでしょう。本稿が参考になれば幸いです。

(了)

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