コマンドライン上でデータ転送をする際、いままで cURL コマンドを使っていました。このようなツールを「コマンドラインHTTPクライアント」と言いますが、最近、cURL と似たように使うことができる HTTPie コマンドが注目されています。
そこでこの記事では、cURL と HTTPie を比較し、それぞれどのように違うのか、メリットデメリットなどを考察します。
cURL とは
基本的なところからですが、長く親しまれてきた cURL こマンドから再確認してみましょう。
cURL （カール）は、データ転送のためのコマンドラインツールです。主にURLを使ってデータを送受信するために使用します。
cURL は Webサービスの開発やネットワークのトラブルシューティングに非常に役立つツールです。
以下にcURLの主な特徴と用途を説明します。
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機能
- HTTPやFTPなど、様々なプロトコルをサポート
- データのダウンロードやアップロード
- RESTful APIのテストやデバッグ
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基本的な使い方
curl [オプション] URL例
curl -I https://www.example.com -
一般的なオプション
-O: ファイルをダウンロード-I: ヘッダー情報のみを取得-X: HTTPメソッドを指定（GET, POST, PUT等）-H: カスタムヘッダーを追加
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利点
- コマンドラインから簡単に使用可能
- スクリプトに組み込んで自動化が可能
- 幅広いプロトコルとオプションをサポート
HTTPie とは
HTTPie は、cURLの代替として設計された、より使いやすいコマンドラインのHTTPクライアントです。主にAPI開発者やテスターを対象としていて、読みやすく、使いやすいインターフェースが提供されています。
HTTPie は特に RESTful API の操作やテストに適していて、開発者の生産性を向上させるツールとしてとても便利です。
以下にHTTPieの主な特徴と用途を説明します。
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機能：
- 直感的なコマンド構文
- 自動的にシンタックスハイライトされた出力
- JSONサポートが充実
- セッションのサポート
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基本的な使い方：
http [フラグ] [メソッド] URL [項目]例
http -h example.com -
主な特徴：
- デフォルトでカラフルな出力
- JSONの入力と出力を自動的に処理
- フォームのデータや認証情報を簡単に送信可能
- HTTPSで自己署名証明書を使用する場合の警告をスキップ可能
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利点：
- cURLよりも直感的で使いやすい
- JSONデータの扱いが特に簡単
- レスポンスの可読性が高い
- APIのテストと開発が効率的
HTTPie と cURL の比較表
| 特徴 | HTTPie | cURL |
|---|---|---|
| 主な目的 | API開発とテスト向けに設計 | 汎用的なデータ転送ツール |
| シンタックス | より直感的で簡潔 | より詳細で柔軟 |
| デフォルトの出力 | 色付きでフォーマットされたHTTPレスポンス | プレーンテキスト |
| JSONサポート | ネイティブサポート | 追加の処理が必要 |
| セッションサポート | 組み込み | 手動で管理 |
| スクリプト作成 | 比較的簡単 | より強力だが複雑 |
| プロトコルサポート | 主にHTTP/HTTPS | 多数のプロトコル（FTP, SCP, etc.） |
| インストール | 追加インストールが必要 | 多くのシステムにプリインストール |
| 学習曲線 | 比較的緩やか | より急 |
| コミュニティ/エコシステム | 成長中 | 非常に大きく成熟している |
| パフォーマンス | 一般的にcurlより遅い | 高速 |
このように、HTTPie は cURL の上位グレード版の位置付けではあるものの、パフォーマンスは cURL が有利であり、必ずしもすべてを cURL から HTTPie に置き換えするようなものではなく、用途による使い分けでそれぞれ今後も必要とされるコマンドとなっています。
