本記事では、法人の銀行オンラインバンキングサービスの利用比較を考察します。
三菱UFJ銀行 BizSTATION
BizSTATION という名称で法人用のオンラインバンキングサービスを提供しています。
動作環境とされているのは以下の通りですが、実際に編集部で利用してみたところ macOS では謎のエラーが表示されてログインはできませんでした。
上表の Windows 8.1 はマイクロソフト社がメインストリームサポート終了していて、早急にアップグレードが推奨されているOSです。できるだけ使わない方が無難でしょう。
macOS Catalina については古いバージョンとなっているので、今回は検証の対象から外しました。
編集部内の MacPro, MacBookPro でそれぞれアクセスしています。
【テスト環境】
macOS Big Sur 11.2.3
Safari 14.0.3
Firefox 87.0
macOS Big Sur で Safari も Firefox でも ID/パスワードを入力し、ログインボタンを押すと、上記エラーが発生。
どの mac でも同様の動作でした。
通常、必須環境としているスペックがクリアされていればアクセスできるべきですが、しかも日本を代表する都銀なのにこの状況、セキュリティ的にも不安を感じる法人も多いと思います。
気を取り直し、今度は Window でログインを試みます。そもそもログインするだけでこれほどの無駄な試練に直面しようとは編集部も予想だにしませんでした。これではサービス内容の評価以前です。
そして Windows の動作環境も中々ローテクっぷりが半端ありません。この時代に Microsoft 社自身がセキュリティ脆弱性があるので使わないでと警告を発している IE11 を使えと!?三菱UFJさん、正気でしょうか?
ログイン時は「クライアント証明書」が必要です。これはクライアントつまり個々のパソコンをサーバが認識して接続する為の技術で、指定された固有のパソコンでしか接続できないものです。なので、会社のパソコンどれでもログインできるわけではないということです。会社のデスクトップに設定している場合、リモート勤務にしていても手元のノートブックPCでアクセスできず、出社しなければなりません。
勿論、その仕組であればセキュリティは高いわけですが、利便性が著しく落ちるという事になります。
さらにこのクライアント証明書は1年間のみ有効となっていて、毎年更新作業をしなければなりません。
この作業、ITに詳しいスタッフであればそれほど苦ではないのですが、そうでない一般職の方には専門用語やいつもありがちな、はい・いいえ を数回クリックする事になるので、多少ストレスを感じるだろうというところです。
毎年更新なので、古い証明書は削除すればスッキリするのですが、証明書を消す操作は一般的な操作でもなく、これもハードルで、しかも有効な証明書を誤って消してしまうと大事です。なんせもう一切ログインできなくなるのですから。クライアント証明書の再発行の手続き、まず三菱UFJ銀行のBizSTATION窓口に電話して、その場では当然発行できず、郵送でのやりとりになります。まず再発行依頼の用紙が届くまで数日、記入して銀行印を捺印して返送するまで数日、その再発行依頼書を元に三菱UFJ銀行が再発行の通知が郵送されるまで、また数日。その間、会社の振り込みも取引明細の確認もできず。毎回、通帳と印鑑を持って三菱UFJ銀行の有人の支店へ出向いて手続きをしなければならないわけです。証明書、安易に消したくない気持ち理解できると思います。
ログイン時、有効なクライアント証明書をクリックすると、次は上図のメッセージが表示されます。なんとデフォルトで「アクセス許可の拒否」これ、条件反射的に「OK」を押しがちな人にはトラップです。この正解は付与の方です。
さて、ここまで頑張ってようやく辿り着いたログイン画面、契約者番号と利用者IDは、クライアント証明書に埋め込まれているので、この画面では入力不要、パスワードのみ入力すれば良いです。
クライアント証明書の無いパソコンからアクセスしても、この画面は表示されません。
BizSTATION の利用料金
月額 1,760円(税込)
振込入金メール通知あり。
※ BizSTATIONライトという無料のものもありますが、現在残高確認と振り込みのみしか利用できず、入出金明細などは表示されません。