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AWSのBYOIPで持ち込み利用する仕組みとは

IPv4アドレスを購入して自社資産にする方法

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IPv4アドレスを購入して自社資産にする方法
ここ数年、企業がIPv4アドレスブロックを自社資産として取得し、AWSのBYOIP(Bring Your Own IP)で活用するという選択に経済合理性が見出されるケースが増えています。

ここ数年、企業がIPv4アドレスブロックを自社資産として取得し、AWSのBYOIP(Bring Your Own IP)で活用するという選択に経済合理性が見出されるケースが増えています。背景にあるのは、大きく次の3点です。

つまり「借り続けるより、自分で持ったほうが安くて安定する」という判断が成立するラインが出てきた、ということです。

AWSでの持ち込みIP利用 ―― BYOIP

AWSには BYOIP(Bring Your Own IP) という仕組みがあり、自社が権利を持つIPアドレスレンジをAWSに持ち込んで、EC2やNLB、NAT Gatewayなどに割り当てられます。

BYOIPの基本要件

項目 内容
最小プレフィックス長 IPv4は /24、IPv6は /48(一般公開する場合)[要確認]
登録先 ARIN、RIPE、APNIC などのRIR/一部NIR [要確認]
所有証明 RDAP/WHOISの登録情報 + 自己署名X.509証明書をレコードに登録
経路の正当性 ROA(Route Origin Authorization) をRPKIで作成し、AWSのASNを許可
広告の制御 AWS側で advertise / withdraw を明示的に操作

ポイントは、AWSがIP所有権を「暗号学的に」検証するという点です。単にWHOISに社名が載っているだけでは通りません。RPKI/ROAの設定が事実上の必須作業になります。

大まかな流れ

  1. IPv4ブロックを取得(購入・移転手続き)
  2. RIRの管理ポータルでROAを作成し、AWSのASN(IPv4は 16509 など [要確認])を許可
  3. RDAPの該当オブジェクトに自己署名証明書の公開鍵を登録
  4. aws ec2 provision-byoip-cidr でAWSにプロビジョニング
  5. 検証完了後、advertise-byoip-cidr で広告を開始
  6. Elastic IPとして払い出し、リソースに割り当て

プロビジョニングの検証には時間がかかります(数時間〜数日 [要確認])ので、移行スケジュールには余裕を持たせるべきです。

米国企業がIPv4を購入する場合の実務

ARINの移転ポリシー

米国・カナダを管轄するのは ARIN です。売買による移転は、ARINの移転ポリシー(NRPM 8.3:地域内移転、8.4:RIR間移転)に基づいて処理されます。

実務上つまずきやすいのは次のあたりです。

購入ルートと価格感

購入は、IPアドレスブローカーを経由するのが一般的です。エスクロー(第三者預託)を使い、移転完了を条件に決済する形が主流です。

/24(256アドレス)単位での取引が最も流動性が高く、価格は1アドレスあたり数十ドル規模で推移していると報じられています [要確認]。相場は変動が大きいため、契約時点の実勢を必ず確認してください。

コスト比較の考え方

購入が得になるかどうかは、使用アドレス数 × 保有年数で決まります。

つまり、多数のIPを長期間使い続ける前提があるなら、購入のほうが有利になりやすいという構図です。逆に、IPの使用数が数個〜十数個であれば、わざわざ購入する経済合理性は薄くなります。

見落とされがちな注意点

1. IPレピュテーションの履歴

中古のIPブロックは、前の所有者がスパム配信やボットに使っていた可能性があります。購入前に以下は必ず確認しましょう。

メール配信やAPI提供に使う予定なら、ここは価格交渉以上に重要です。

2. リージョンとアカウントの制約

BYOIPで持ち込んだCIDRは、プロビジョニングしたリージョンに紐づきます。複数リージョンで使うなら、ブロックを分割して設計する必要があります。また、AWS Organizations配下での共有には IPAM の利用が前提になるケースがあります [要確認]。

3. 「広告の停止」が事故になりうる

withdraw-byoip-cidr を実行すると、その経路の広告が止まります。運用手順書とIAM権限の設計をきちんとしておかないと、自社サービスが一斉に到達不能になるリスクがあります。

4. 出口戦略

購入したIPは資産ですが、AWSから引き上げる際にはデプロビジョニングが必要です。売却する場合もARINの移転手続きを再び通ることになります。

まとめ

IPアドレスは、いまや「設定項目」ではなくバランスシートに載る資産になりつつあります。インフラ設計とともに、調達・法務の視点も併せて検討していくのが現実的なアプローチだと言えるでしょう。

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