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価格待ちのリスクを数字で考える

金利上昇でも家は今買うべき?

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金利上昇でも家は今買うべき?

住宅ローンの金利が上がり始め、「今買うべきか、価格が下がるまで待つべきか」と迷う人が増えています。一方で、東京都心などでは不動産価格が高止まりし、利上げを待っても希望する物件が安くなるとは限りません。金利と不動産価格の関係を一本の因果関係として捉えず、返済額、地域の需給、賃料という三つの面から見る必要があります。

日銀の政策変更は、住宅ローンへ即座に同じ幅で反映されるわけではありません。銀行がどの金利を基準に商品を設計しているか、借り手が変動金利と固定金利のどちらを選ぶかによって、家計に届く時期も負担額も変わります。

日本の利上げで何が変わったのか

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を終了し、その後も政策金利を引き上げました。2025年1月の金融政策決定会合では、無担保コールレート翌日物の誘導目標を0.5%程度へ引き上げたと公表されています。以後の最新水準は、日本銀行の金融政策決定会合で確認してください[要確認]。

政策金利は、銀行同士が短期資金をやり取りする際の金利に影響を及ぼす出発点です。政策金利が上がると、銀行の資金調達コストや預金金利、企業向け融資の金利にも上昇圧力がかかります。ただし、住宅ローン金利が政策金利と同じ日に、同じ幅だけ上がるわけではありません。

たとえば、変動型住宅ローンは短期プライムレートなどを基準にする商品が多く、銀行が基準金利を見直した後に適用金利が変わります。固定型は国債利回りなどの長期金利を反映しやすいため、日銀の正式な利上げより前に市場の予想を織り込んで上昇することもあります。ニュースで「日銀が利上げした」と聞いたら、政策金利だけでなく、自分の契約に記載された基準金利と見直し日まで確認したいところです。

住宅ローンへの影響は返済額で考える

金利上昇の負担は、借入額が大きく、返済期間が長いほど膨らみます。4,000万円を35年間、元利均等返済で借りる単純な試算では、金利が年0.5%なら毎月返済額は約10万4,000円、年1.0%なら約11万3,000円です。諸費用や団体信用生命保険の上乗せを含まない概算ですが、0.5ポイントの差でも月額は約9,000円変わります。

変動型には、返済額を5年間据え置く「5年ルール」や、見直し後の返済額を従来の125%以内に抑える仕組みを設けた商品があります。ただし、すべての銀行や住宅ローンに適用される制度ではありません。返済額がすぐ増えなくても利息の割合が上昇し、元金の減りが遅くなる場合があるため、毎月の引き落とし額だけで負担を判断しないことが必要です。

利上げが住宅購入者へ届く流れを示すと、次のようになります。実際には銀行の判断や市場予想が間に入るため、矢印どおりに機械的に動くのではなく、影響の経路を把握する図として見てください。

flowchart TD    
    A["日本銀行が政策金利を引き上げる"] --> B["銀行の資金調達コストが変化する"]    
    A --> C["国債利回りや市場金利が動く"]    
    B --> D["変動型住宅ローンの基準金利を見直す"]    
    C --> E["固定型住宅ローンの募集金利を見直す"]    
    D --> F["返済額または利息負担が増える"]    
    E --> G["新規購入者の借入可能額が縮む"]    
    F --> H["住宅への需要が弱まる"]    
    G --> H    
    H --> I["一部地域で価格上昇が鈍る"]    

実務では、現在の金利だけでなく、年1%程度上昇した場合にも返済を続けられるかを確かめます。たとえば月9,000円の増加に加え、固定資産税、管理費、修繕積立金の値上げも重なったとき、年間の住宅費がいくらになるかを計算します。銀行が示す借入可能額ではなく、教育費や老後資金を残せる返済額から予算を逆算したほうが、利上げ局面では無理が生じにくくなります。

最近の不動産相場が一律に下がらない理由

利上げは購入需要を抑える方向に働きますが、近年の不動産相場は地域によって大きく異なります。国土交通省の地価公示では、三大都市圏や地方の主要都市を中心に上昇傾向が確認されてきました。2026年の最新公示地価でも全国平均や都市部の上昇が続いているか、用途別の公表値を確認する必要があります[要確認]。

東京都心の新築マンションでは、建築費、人件費、用地取得費の上昇が価格を押し上げています。売り手が金利上昇分を値下げで吸収できるとは限らず、供給戸数が少ない地域では高値でも購入希望者が残ります。駅に近い中古マンションを内見した際、同じ予算で探せる面積が前年より狭くなったというケースも珍しくありません[要確認]。

一方、人口が減少している地域や駅から遠い物件では、買い手の借入余力が縮むと価格交渉が進みやすくなります。投資用物件も、ローン金利が上昇して賃料が変わらなければ、手元に残る収益が減ります。金利だけではなく、供給の少なさと賃料の伸びが価格を支えられるかによって、同じ利上げでも物件ごとの結果が分かれるのです。

たとえば表面利回り4%の賃貸物件でも、借入金利や管理費、修繕費が上がれば、実際の収益は大きく縮みます。反対に、入居需要が強く賃料を改定できる地域なら、費用の増加をある程度吸収できます。売買価格だけを見ず、近隣の成約賃料、空室期間、管理組合の修繕計画まで確認すると、高値が維持されている理由が見えてきます。

買うか待つかを判断する方法

購入時期を決めるときは、不動産相場の予測よりも、候補物件を保有し続けられる条件を固めます。価格が5%下がっても住宅ローン金利が上昇すれば、総返済額は減らないことがあります。反対に、低い金利で急いで購入しても、売却しにくい立地を選べば価格下落の影響を強く受けます。

私は物件を比較するとき、最初に金融機関の返済予定表を取り寄せ、現在の金利と上昇後の金利を並べます。次に、国土交通省の不動産情報ライブラリで周辺の取引価格を調べ、売出価格ではなく実際の取引水準を確認します。最後に、10年以内に転勤や家族構成の変化が起きた場合、賃貸または売却へ切り替えられるかを検討します。

購入候補が4,500万円なら、値下がりを待つだけでなく、頭金を増やした場合、借入期間を短くした場合、固定型へ変更した場合の総支払額も比べます。変動型を選ぶなら、金利上昇に備える資金を繰り上げ返済へ直ちに回さず、当面は現金として確保する考え方もあります。物件価格ではなく、金利上昇後を含む住居費の総額で判断すると、相場の短期的な上下に振り回されにくくなります。

利上げ局面で選ぶべきなのは最安値の物件ではなく、金利が上がっても暮らしを崩さず、必要な時に売却や賃貸へ移れる物件です。

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